屋上防水は建物の命綱!プロが教える種類・周期・劣化サイン
- 重章 藤家
- 4月30日
- 読了時間: 3分
更新日:4 日前

賃貸物件の長寿命化を検討する上で、重要な要素となるのが「屋上防水」です。建物の最上部で雨風の影響を直接受ける屋上は、防水層に不具合が生じると、雨漏りにより躯体や内装に様々な悪影響を及ぼします。特に内装は、入居者のクレームへと発展し、退去につながる可能性があります。
今回は、賃貸物件を所有しているオーナー様や、維持管理に関わる皆様に、屋上防水の基礎知識を以下の点について わかりやすくご紹介します。
劣化の兆候
屋上防水の種類
メンテナンスの周期
屋上防水の必要性
1.防水劣化の兆候
まずは、オーナー様や管理会社様が気付ける防水劣化のサインをご紹介します。
屋上表面のひび割れや膨れ
塗膜防水の色あせや粉状化
天井や壁のシミやカビの発生
防水層の端部(立ち上がり部分)の剥がれ
防水劣化の兆候
これらの兆候が見られた場合は、速やかに当社への相談をご検討ください。
2.屋上防水の主な種類
屋上防水にはいくつかの工法が存在し、物件の構造、立地条件、予算などに応じて最適な方法が選択されます。代表的な工法は以下の通りです。
ウレタン防水(塗膜防水) 液状のウレタン樹脂を複数層塗り重ねて防水層を形成します。
【特徴:複雑な形状にも比較的容易に対応できます。】
【一般的な耐用年数:10~12年程度。】
【メンテナンスの目安:5~6年ごとのトップコート塗布が推奨されます。】
ウレタン防水(塗膜防水) ゴムシート防水 合成ゴム系のシート状の防水材を屋根面に貼り付ける工法です。
【特徴:均一な厚みで安定した仕上がりが期待できます。】
【一般的な耐用年数:12~15年程度。】
【メンテナンスの目安:3~5年ごとのトップコート塗布が推奨されます。】
ゴムシート防水 塩ビシート防水(絶縁工法など) 塩化ビニル樹脂製のシート状防水材を使用する工法です。
【特徴:耐候性、耐摩耗性に優れており、紫外線や酸性雨など、様々な環境要因に対して高い耐久性を発揮します。】
【一般的な耐用年数:15~20年程度。】

3.屋上防水のメンテナンス周期
防水工事は一度実施すれば完了というものではなく、経年とともに紫外線や雨風の影響を受け、防水層は劣化します。
工法 | メンテナンス周期の目安 | 一般的な耐用年数 |
ウレタン防水 | 5~6年 | 約10~12年 |
ゴムシート防水 | 3~5年ごとにトップコート塗布、10年を目安に点検 | 約12~15年 |
塩ビシート防水 | 10年目を目安に点検 | 約15~20年 |
※いずれの工法においても、10年を目安とした定期的な点検が重要です。
4.まとめ
屋上防水は、日頃意識されにくい部分ではありますが、建物の健全性を維持する上で非常に重要な役割を果たしています。定期的な点検と適切なメンテナンスは、将来的な修繕コストの抑制、入居者の満足度向上、そして物件価値の維持につながります。「まだ大丈夫」という認識ではなく、「適切な時期に」点検と対策を実施することが大切です。ぜひこの機会に、屋上防水の状態をご確認ください。
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