マンションのエントランスは、内覧者が最初に目にする場所であり、入居者が毎日利用する場所でもあります。エントランスの意匠性が乏しいと、内覧者にマイナスの印象を与えてしまい、また利便性や防犯性が低いと、入居者が引っ越しを検討する要因になってしまう恐れがあります。
そこで今回は、内覧者の第一印象を良くし、使い勝手の悪さや防犯面での課題を解決した、マンションのエントランスリノベーション事例をご紹介します。
■若年層ビジネスマンを惹きつけるエントランスへ
物件周辺はオフィスビルが立ち並び、多くの働き盛りの若者が集まる活気あるエリアです。入居が見込まれる若年層のビジネスマンに敬遠されがちな色使いのエントランスを、シックなモノトーンのタイルを使用し、都会的なテイストにリデザインしました。
Before
After
また、オートロックの重い開き戸は、自動の二重引き戸に変更し、自転車を押しながらエントランス内にある駐輪場へスムーズに入れるようにしました。
事例の詳細はこちらへ https://www.asahiliving.co.jp/works/9080
■オートロックの扉を使用せずに防犯性と意匠性をアップ
オートロックの扉は防犯性に優れた人気設備ですが、費用面での負担が大きく、新設するにはハードルの高い設備でもあります。単身男性をターゲットに設定したこちらの物件は、オートロックの扉を設置せずに、ポストの移設や照明の照度を確保することで防犯性を高めた事例です。エントランスの意匠性も、施工前と比べて格段にイメージアップしました。
Before
After
開けっ放しにされていた重い扉を撤去し、エントランスの奥にあったポストを出入口付近に移設することで、部外者の侵入エリアを限定しました。また、エントランスホールの天井や階段はダーク色で仕上げられていますが、効果的に設置されたダウンライトによって照度が十分に確保されています。照明計画も、防犯性を高めるための重要な要素です。
■利便性・防犯性を重視したエントランス
こちらはファミリー層の入居が見込まれる物件です。薄暗い印象を与えていたエントランスが、木目の角柱とグリーンが映える明るい雰囲気へと生まれ変わりました。施工前の課題は、主に2つ。1つは荷物を持った状態で開け閉めしにくいレバーハンドル式の門扉。もう1つは、周囲に街灯が少ないため、夜間に道路側の階段が真っ暗になってしまうことでした。
Before
After
レバーハンドル式の門扉は、オートロック(タッチキー式)のプッシュプル錠に変更し、荷物を持った状態でも手軽に開閉できるようになりました。
また、道路側の階段には木目のルーバーを利用してスポットライトを新設し、夜間でも足元が見やすくなるようにしました。照明の配線はルーバーの中に隠し、意匠性にも配慮しています。さらに、スポットライトと共用廊下の照明は全て温白色を採用し、十分な照度を確保することで防犯性を高めました。
■エントランスのリノベーションで大切なこと
いかがでしたでしょうか?
エントランスのリノベーションで入居の促進や退去の抑制につなげるためには、入居者ターゲットに合わせた意匠性の向上が必要です。また、意匠性の向上だけでなく、エントランスの利便性や防犯性の面での課題を解決することも重要です。入居者が毎日利用するエントランスにおいて、「不便だな」「不安だな」と感じてしまうと、退去につながる可能性があるからです。
エントランスのリノベーションを検討する際は、意匠性だけでなく、利便性や防犯性も含めて見直すことをお勧めします。
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