雨漏りや漏水の前兆は見つけにくく、見過ごされやすいです。入居者から苦情の連絡があって、はじめて漏水していると分かったという事もよくお聞きします。入居者の家具に被害が出たり、大掛かりな補修工事が急に必要になったりしないように、今回は日頃から簡単にできる、漏水チェックのポイントを4つご紹介します。
近年は梅雨や台風に加え、線状降水帯の発生やゲリラ豪雨など、従来では想定できなかった量の雨が降ることが多くなりました。そのため、防水のわずかな劣化や、排水口のつまりなどが原因で漏水に至るケースが増えてきました。
どこをどのようにチェックすればいいのか、ご紹介します。
チェックポイント1⃣:屋上
写真①のように、屋上の床面がまだらになっていたり、写真②のように細かいひび割れや膨れがあったら要注意。防水面が劣化しています。陸屋根はいわばプールの底のようなものなので、防水面に穴が空いたりすると雨漏りにつながります。屋上防水の状態は常日頃からチェックしておきましょう。
チェックポイント2⃣:屋根
スレート屋根に登るのは危険ですので、遠目で見ても分かるポイントをご紹介します。
写真③のように屋根が明らかにまだらに見えるようであれば要注意。まだらに見えるのは、直射日光による紫外線や風雨に曝され続け、表面を保護する塗膜が劣化して褪色しているためです。また、写真④のように既に塗膜が細かく剥離していてカビが発生している場合もあります。その場合は、撥水力が低下しているので、屋根材に浸透した水分が下地まで到達してしまいます。下地の状態によっては雨漏りの原因となりますので、注意が必要です。
チェックポイント3⃣:ドレン(排水口)
ドレン(排水口)に、土や落ち葉などが溜まっていないか確認しましょう。
写真⑤は風で運ばれてきた土や落ち葉などが堆積して、ドレンが完全に埋まっている状態です。完全に排水できなくなっているので、雨が降ると逃げ場のない雨水が大量に屋上に溜まります。
防水していたとしても屋上にはプールの様に大量の水を溜めるほどの力はないため、防水が劣化していなくても重大な漏水につながる可能性があります。
ドレンは日頃から清掃しておきましょう。
チェックポイント4⃣:ベランダ
ベランダも屋上と同様に注意が必要です。この写真の様にヒビ割れていたり、塗膜の剥離などが見られたら防水能力が低下しています。また、苔・カビの発生している場合は水はけが悪くなっている証拠です。
「部屋の漏水の原因が上階のベランダ」というのはよくある事例です。
退去後のリフォームのタイミングに、ベランダの状態もチェックしておきましょう。
建物が濡れていると原因を特定することが難しいため、雨が止むのを待つことになります。その間も雨漏りが続き、入居者の家財道具などにも被害が出る可能性があります。
そうならないためにも、日頃からチェックしておくことが必要です。
今回は誰でも一目でわかる、雨漏り・漏水対策のチェックポイントについてお伝えしました。
勿論、漏水の原因はこれ以外にも沢山あります。
ご自分で見ても分からないときや、上記の異常が見られた場合は、弊社にご相談ください。